2011年05月31日

単独登山 本谷ルートより御在所山頂へ



念願の平日単独登山。



企画当初は妻と二人予定だったが、

「ん〜その日は無理かも・・」と言われ

水面下でその日決行の計画を着々と進める。



どうしても!是が非でも!俺はその日じゃないと無理!と駄々をこね
(妻が無理なのは百も千も承知の上で)
上達した演技力で偽涙まで浮かべ、やっと勝ち取ったこの日。


楽しんできました・・・

えぇ心行くまで・・・

洗ってきました、魂を。


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御在所のバリエーションルート、本谷。

ゴルシュ帯有り(直登してませんが)・
チョックストーン有り(巻き道に逃げましたが)・
ルートファインディング技術必須(主にGPS活用ですが)・
道を間違い(イメージ&トレース出来ていなかった・・)・
進退窮まる場面も有り(泣いちゃおっかなと思ったり)・

なんでだろう・・・単独だとこんなに窮地を楽しめる・・・!!

ルートは

中道登山口 ⇒ 御在所山の家 ⇒ 本谷 ⇒ 山上駅 ⇒ 
八大龍王神社 ⇒ 御嶽大権現 ⇒ 朝陽台 ⇒ 国見峠 ⇒
中道・・・

途中、山頂の一等三角点にてお蕎麦屋さん夫妻と偶然の出会いを果たし、
山上駅前広場にてマメさんと合流。中道への帰路をご一緒させて頂きましたmm



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昨晩は子供の遠足のように寝られず、
その楽しみ度を妻に悟られないように寝返りを忍びの様に繰り返す。


前記の妻は「ちぇッ★しょうがねぇなぁ」と単独登山を許可し、
喜び過ぎては、行けるものも行けなくなってしまうことを熟慮した俺は
「残念だ、あぁ残念だ」と死んだ魚の眼をして片言で繰り返す。


朝の目覚めは、息を殺して無音で腰から直角に起き上がる。
まるでキョンシーが棺おけから起き上がるそれの様に。



銀行強盗が建築図面の青写真を頭に叩き込む様に、俺の頭の中には
家中の軋み音が鳴る廊下、
このドアは何°まで開けると音が鳴るか等が完璧にインプットされていた。

ルパン一味が前もってその建物に潜り込み、
あたかもずっと居ました顔で別人になりすます。

同じように回避できない音は家人が出払った隙に改修が施されているのだ・・・



30°までしか開けてはいけないドアに頭を捻じ込む、
その隙間に体・手足との順にマリオネットの様な動きでぎこちなく部屋脱出を試みる。

「焦るな・・・何度も練習したのと同じだ・・・」

それでも練習通りスルリとはいかず、
胸に触れた扉はギギーーッとアダムスファミリーの館の様な音を出す。


動きを止め、ドアの動きと寝室の中に神経を集中する・・・


・・・ドアの隙間から見える就寝中の妻は微動だにしない・・・


その姿を確認して安堵すると、部屋中に

ケケケケケ・・・

と笑い声が響く・・!

見るとそこには先程の自分がやってみせた起き方で(キョンシー起き)
眼を倍の倍ほどに広げ完全白目、口は耳までも裂けている(錯覚)妻が
「もののけ姫」に登場する木霊のようにカタカタ顔を揺らしているではないか・・・!!

イヤアァァァァァァァァーーーーーッッッ!!!





その後、黙って出掛けるなんて!と糾弾され出発に至る。。。



思ったより難無く家を出れた(アレだけで済んだ)ことに気をよくし、鼻歌交じりで名四を運転する。
さっきチビりそうになったけれども、出だし好調と思い出し笑いをする・・・


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登山口の駐車場へ乗り入れ、荷物の準備をする。
横で「でっぱつ!でっぱつ!」と相手するまでうるさいアレが居ないと準備もスムーズだ。


何だ、「でっぱつ」って。
一時期アレは死語にハマり、「ばいちゃ」や「パン作ってください」など口を開けば死語にまみれていた。
「ハイハイ、出発ね」と言うまででっぱつを辞めないのだ・・・

今は正真正銘の女性のくせにオネエ言葉に夢中だ。
自称マダム言葉らしいのだが、そこはそれ、
時代はオネエ圧制なのでマダムは浸透していない。
不本意だろうが、オッサン言葉を言ってるようにしか大衆は見てくれない。


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中道登山口の看板左手側にある橋を渡る。
しばらく進むと御在所山の家が見える。
その右側より本谷ルートへ入る。

本谷へ進んでから5分も経たないうちに道は谷道へと変わる。

今日は邪魔がいないので純粋に登山道説明が出来る。。。



いや、一つ気にかかることがある。

このブログを始めてから、なぜか耳に入るは妻人気ばかりで俺への同情票は極めて少ないのだ。

合点がいかん・・・・

奴の悪事を此処で晒しても、圧倒的に支持があるとはこれいかに・・・!

まるで、ドロンボー一味のように人の番組でコーナーを持つ事など俺は許さん・・・




いや、いや純粋に登山道説明を・・・・

上の写真が例のスラブ。小さな滝にも横には巻き道があるので滑滝も苦にならない。


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これが巻き道の取り付き。

傾斜はどんどんきつくなり、何度も滝をトラバースして何度も滝を直登して上を目指す。


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な、なんでだろう・・

うるさいと感じて登ったどの山よりも生き物の気配がいとおしく感じる・・・


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寂しいのか、俺は・・・?
いいや、そんなハズない。そんなハズ・・・


大岩へ近づく。
ここへ来た時点で靴と言わず、足と言わず、体中が濡れている事に気付く。


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これは・・この道は・・アレが自分で行きたいと言い出したのならいざ知らず、
俺が行こうよ!などと提案した日にゃぁ何と言われるか・・・

単独で良かった・・・と自分が間違ってなかったことに一筋の勇気を授かる・・・


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体中、汗なのか滝の水なのかでジットリしている。
人が来ないのをいいことに、頭から沢水を被る。

思いっきりブルブルと濡れた犬の様に顔を振る。

・・・清涼飲料水のCMのオファーがきてもおかしくない爽やかさ・・・!


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誰と共演だろう・・・参ったなコリャ・・・などとブツブツ登る。

目の前に濡れた岩壁が立ち塞がる。
大黒滝のお出ましだ。


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と、言っても大黒滝は左に巻いて進む。

上の写真は、一ノ谷の鷹見岩(恵比寿岩)

本谷からは親指の爪ほどの大きさでカメラをズームにしながら声が出てしまった。
「お〜!おおぅ〜!」と・・・

周りに人の気配がしないか確認する・・・


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蛙のアゴを下から見たような三角岩。
潜り岩と名の通り岩の中を潜るルートもある。
が、これも右から巻いて逃げる(逃げてばかり)。


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ん・・・?これがそうだったかな・・・


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時間がまだ早く、ロープウェイが始動していなかった為赤がない写真に


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大鉄塔と朝の伊勢湾。


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荒れている・・
何年前に出来た道だろう。
道と分かるのが良い道だとは思えない。

そう、ここは御在所。

流されたどり着いた地は根をおろせるような場所ではなかったか・・・



何度来ても、御在所の進む未来が明るいものに思えなくて切ない。



この先、二股を左へと進む。
ピトンに足を掛けて岩壁を這い上がる場所もあり
バリエーションルート・・なるほど・・・と感じる。


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富士見岩の岩壁に圧倒されると、そこはもう本谷も詰め場だ。

途中、沢・滝・岩と連続する道の中、
テープを見落とし谷の岩場へと迷い込んだ。

この先道ではない事に気付き、
戻ろうと振り返って愕然とした。

「戻れない・・・」

腰まで足を持ち上げ、直登の岩場を越えてきたのだから
当然帰路は予想通りの道だ。

あの手・この手で突破(戻る)を試みるもなす術はなし・・・
あぁ・・!手が四本だったら・・・!とフとそんな考えが頭をかすめた。



・・・以前、息子と『妻を山に還そうキャンペーン』なるものを催した事があった・・
我々の研究結果によると、
人の皮を被った獣は三・四日もすれば人の言葉を忘れ、
すぐに野生界に体が順応して毛むくじゃらになり、
四つんばいで野山を走り回るだろう・・というものだった。

妻を放したその地には、真しなやかに不可思議な噂がたつ・・
旅人がその山を歩くと
「ニコチン・・くれ・・・シケモク・・おいてけ・・・」
と、物陰から獣の息遣いと共に聞こえるのだ。

怯えた旅人が煙草を放って逃げる。
里に帰った旅人は「あの山には妖怪がいる」とふれ回る。



・・・まぁキャンペーンは失敗に終わったのだが

あの獣は四本足だったな・・・
往生際の悪い俺は獣の真似をして窮地を乗り切った。

ここにきて、奴に助けられるとは・・・・!!


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やっと生還した所で小休止、ゴンドラの中の人から指さされてしまった・・・!

こんな時妻だったら
「たーすーけーてーwww」
「指さすな!差し返してやる〜!!」
「待ってー!待てってー!」並みにリアクションするんだろうが、
(これを多分一台のゴンドラに向かって全て言う)
(持っているポールかピッケルを銃に見立て撃ち落す仕草をする)
(その際、ズガーン!ズガーン!と擬音を自分で言う)
俺には出来ない。

ラテン系ジャパニーズの血を少し羨ましく思いながら(生粋の日本人だが)、
今は亡き妻を懐かしく思う・・・

(存命です、念の為)


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山頂に着く頃にはすっかり辺りは雲の中


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そして彼女は言う
「下々の者が入って来れるのはここまでだ!!!」

多分、観光客が山上駅から出られない様に
ゴンドラ降車場から乗車場まで一本のロープで誘導する。
観光客は宮中散歩の後、山上駅で降りて
あれよあれよと言う間に山頂の地を踏むことなくそのまま下山用のゴンドラに乗せられるのだ。

それを見て満足そうな妻
「ここまで来れたことをありがたく思え!」




・・・・・・今日、何としても一人でここまで来たことを
   ゴンドラで上がって来る方々に感謝して欲しい・・・・・・


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まだマメさんとの待ち合わせまで時間がある。



一人になろう・・

人の気配がするこの場所は息苦しい・・・

一人になる為にここに来たのに、奴の残像が見える・・・


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霧で霞む中、一等三角点前でご夫婦とすれ違った。
お似合いな二人だなぁ・・とぼんやり見ているとご主人と目が合った。

恐る恐る声を掛ける・・・

「も・・もしかして・・・」

我ながら間抜けな第一声である。


感動の対面である。(感動的であったかどうかは完全に私見なのでご了承下さい)

どのくらい話し込んだだろう・・
自己紹介といきなりの今後の山行予定・そして再会を約束しご夫婦と別れる・・・

その節はお世話になりましたmm



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お二人と別た後、八大龍王神社へと向かう。

八大龍王とは、雨乞いの竜神様だそうだ。

ここで雨乞岳の写真を撮ってないことに気付く・・・(撃沈)


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妻は鈴鹿山脈の中でもなぜか雨乞岳が好きで、

この山行の時も雨乞にはくれぐれも宜しく!と仰せつかって来たのだ。

その雨乞岳の写真がない・・・!!


頭の中で電子戦隊デンジマンの唄がエンドレスで鳴り響く・・・

 どうする? どうする? ど う す る ???


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 振り向くな 振り向くな  振 り 向 く な


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タテヤマリンドウ: (タイトル)デンジマンにまかせろ!


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シロヤシオ: 君ならどうする!?

わぁ!ご夫婦!助けて!!とすがれば良かった。
いや、すがらなくて良かった・・・
ご迷惑だろう、さっきまで笑顔で話していた男が泣きながら
「雨乞岳の写真ありますか〜!?」なんて追って来たら・・・

夢に出るわ・・・


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結果: 奴には謝りました。もぅ平謝り。迅速・丁寧に。。。


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マメさんと合流し、中道へと降る。

写真は養老山脈がうっすら見える。

この時の俺にはまだ妻に謝罪するという選択肢がなかったので、
待ち合わせ場所でも雨乞を求めてウロウロ・・・
声に出してはいなかったでしょうか・・・
マメさんから見たら挙動不審に見えたでしょう・・・

その節はご迷惑をおかけしましたmm
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釈迦ヶ岳が白く光る。

マメさんとの出会いも、とても印象深いものでした。

視線を感じ、振り向くとおしゃれ眼鏡をかけた方から熱い眼差しを送られていた・・!
すごい腰を見られてるな・・・;とタジろいだが、マメさんは目印の腰タオルを見られてたんですね。

ホント、何かもうスミマセンでした・・・


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鎌ヶ岳と入道ヶ岳。

「なんで、鎌はあるのに雨乞はないのさ!!??」
・・・そんな怒る事だろうか・・・


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中道の地蔵岩。
マメさんとは山頂から駐車場までご一緒させていただいた。

お蕎麦屋さんご夫妻、マメさん、楽しい時間をありがとうございました。

御陰様でほんのひと時日常を忘れ心の底から談笑させていただきました。



相変わらず、降りは苦手な俺。
軽快な足運びを披露してくださったマメさん。


登山口が近づくにつれマメさんとの別れの時も迫る。


帰り道は濃いラーメンが食べたいなぁ・・・
そんなメールを下界に送信してしまった。

返信メールは、
「待っている。ラーメン食べずに待っている・・・!
  迎えにいらっしゃい、待ってるから!」
だった・・・



慌てて電源を切るも、当然帰ってから責め苦に喘ぐこととなった・・・


タグ:鈴鹿山脈
posted by Lilium medeoloides at 10:00| 愛知 ☔| Comment(1) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
その節はお世話になりました、とっても楽しい時間をありがとう(^^)

しかしホントに新聞部だったでしょう
それか落研、文章が上手いわ、思わずガハハと笑ってしまって、妻から白い目で見られてしまいました
Posted by mame at 2011年07月07日 23:31
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