2011年08月01日

アルプスの城塞 空木岳へ。越百山〜仙涯領〜南駒ケ岳を経て



中アの城塞 空木岳目指して稜線散歩。

コースは、下記。


【伊奈川ダム登山口P → 福栃平 → (避難小屋泊)越百小屋 → 越百山 → 仙涯領 → 南駒ケ岳 → 赤椰岳 → 空木岳 → (空木駒峰ヒュッテ泊) → 空木岳 → 木曽殿越 → 北沢の吊橋 → うさぎ平 → 伊奈川ダム登山口P】


中央アルプスの凛々しい世界にしばし時を忘れる山行だった・・

かつて百名山を選ぶ際に、南駒と空木を最後まで悩んだあげく
約20m高いとの理由で空木岳が名高い百名山に選ばれた。。

しかし、本当の理由は
「空を仰いで木を慈しむ山」。
名前負けしないその山の美しさに心打たれたとか・・・・・・



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南駒と空木と両方選ぶ選択肢はなかったのか・・深田さんよ。
南駒と他の山とを天秤にかけろください。是非。


山行から10ヶ月あまり隔てての記事起こしである・・・
今でも夢に見る、稜線。
金色の夢らなぬ、草色の夢。

ゆっくりゆっくり、当時を思い出しながら書くと、
やはりじわりと脳天にチラつくあの感じ。


妻先導・息子同伴・ 俺 書 生 。


脳が油汗を吹き、前頭葉が悲鳴をあげる あの感じ。
流れに逆らわぬよう、一隻の笹舟となる。


「フラフラした足取りで谷に呼ばれてザザーーーーッだわ」・・・・
(北アの魅せる夢 燕岳の白昼夢.参照)


いずれ流れは滝つぼへ
全てと混沌となって、生まれ変わりの時を待つ。。。








道の駅大桑着、車内で用意を済ました妻が息子を起こす。

いつも通りのその忙しない声を聞きながら、まだ暗い空を見上げる。
朝日の前に、奥山に潜む野鳥を起こしてしまうんではないかと思う。

妻に息子とトイレに行って来いと言われたワケではないが、慌てて二人車内から飛び出る。

「・・・ップハァッ!!!」まるで息ができなかったかのように息子が息を吹き返す。
そして深呼吸。

。。いつも朝は清々しい。。

どういうつもりか、車のガラスに顔をぺったりくっつけてこちらを覗っている。
清々しそうな二人を見ておもむろに仲間に入りたさそうにする。

「なかまになりたそうにこちらを見ている」
「なかまにしますか?」

息子から返事を聞く前に、二人早足で車周辺から退避する。







伊奈川ダム登山口駐車場に着くやフロンガラスに水滴が。
フワフワと目の前を上下左右に流されるような雨が舞っている。

「(雨がひどくなったら)ちょっと上がって帰ろう」なんて
、その気はないくせに毎度の戯言を言い合いながら今日の第一歩を踏む。



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今朝沢林道崩壊地は路面整備が完了したそう。
この写真から一ヵ月後には復旧完了のHPが公開されることに。
写真上部の土面を歩く。


「崩壊箇所のデーターを俺の端末に送れ!」
「今やっています!ジャック」
「何分かかりそうだ!?」
「ジャックあと10分です」
「まだか!?」
一人ジャック&クロエで場を盛り上げる妻。


山側からは幾筋も水が染み出て小さな沢になっている。
妻のみの盛り上がりのまま、崩壊地を通過。
その間息子は無反応。
13年も彼女の息子をやっていると、母がジャックだろうとクロエだろうと全く無関心になる。



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福栃平を越百山方面に折れ、いよいよ始まる樹林帯。

今回もまた妻が山行計画をたてている。

いささか不安もあるものの、今海外ドラマに(今更)大ハマリな妻は今勢いがある。
だからと言って、どうという事ではないのだが、
つまりは上機嫌の時にはなんでも持ち上げて我々は難無く過ごす、というワケだ。

24・ロスト・プリズンブレイク・ヒーローズ・SATC・etc・・・
時にはジャックバウアーに
時にはジャックシェパードに
時にはティーバックに
時にはサマンサに
癖のあるキャラが好みなようで、「毒を以て毒を制す」の言葉を思い出させる奴だ。
それとも三すくみか・・
ジャックバウアーとティーバックと妻・・
我が妻ながら負ける気がしない。

「手を後ろで組んで膝をつけ!!!」
気づくと前方で息子がストックを突きつけられ妻の餌食になっていた。
慌てて救出すると、
「くそっ!死んだ!!!」だと。

どことしゃべっているんだ、ジャックならスピーカーフォンにしろ。



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と、ここまで山の説明ほとんど無し。
山行記録と言っておいて、これいかに。

でもね、道の説明をしてくれているサイトは五万とあるんです。。。

下の水場の水量はジャックに追い詰められた喉を潤すのに十分。



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そこから下のコルはすぐ(だった気が)。
ほら、山の説明なんてこの有様・・・

全ての写真は、妻とのやりとり・息子とのやりとりが散りばめられている記録。
稀に、あまりにクドい思い出で山の記憶がかすんでしまう、これが正直なところ。

そんな俺の心を知ってか知らずか(多分に知らない)、
息子に「約束する!俺が守る!」とかなんとか言っている妻。

つい数分前には尋問は俺がする勢いだった奴に俺が守るか。
ジャックが守る宣言をして守れたためしがない。

しょっぱなから呪いの言葉をかけられ、幸先が悪い息子。。。



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ちょっと写真を撮っている間にスタスタ先に進む二人。
木々の間からは「木の根に足を置くな!」「今やっていますジャック!」「説明している暇はない!」と妻と息子の掛け合いが聞こえる。

12歳にして媚びて生きる事を覚えた息子。
魂売ってるなぁ〜・・と息子の成長に一人目を細める。。。



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と、しばらくすると携帯が鳴る。
「お言葉ですが、大統領!」・・そこで電話が切れる。

そりゃそうだ。樹林帯の中、空さえも時折見え隠れする中
その中で大統領への直電。
っつうか、大統領に直接電話してくんなよ・・・
やめて、充電さえも貴重な山奥で・・・



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なんとか(飽きてきた)息子と話題を変えようと、話しを振る。

「LOST前回までは・・・」
後ろでなんかロストが始まったみたいだけど、気にせず歩く。

「24前回までは・・・」
違う24も始まったみたいだけど・・・



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「打倒!小休止」 をセールスプロモーションに掲げている妻は、
「ここは気持ちの良い風が通っていくよ」なんて浮かれた枯れた会話をしている我々を、
舌打ちと共に追い越し、
「打倒!小休止」ののぼり旗の裏面にある
「“自然のエアコンみたい” 撲滅キャンペーン」
をバタバタさせて、敵ながら小気味良いステップでしゃらくせぇとばかりに
ペッと唾を吐いて上がっていく。。。

な、なんて柄の悪い・・・

大方の行動パターンは予測できていたため、
しゃらくせぇ・・の辺りで息子に 誰〜だ!? の要領で目隠しをすることが出来た。
教育上宜しくないので。

それでも、まだ足りない息子は、小六にもなってキャッキャとはしゃぐ。
むぅ・・使えないぞ・・息子・・・


・・・それでも、一見すると平和なこの家庭は、全て


     俺  の  功  績  だ  !!!!!




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−−−−−−と、まぁ熱くなってしまったが、上の水場に到着する。

体力を温存しておきたかったので、水場には降りず、
ショベルカーの様な轟音と共に、昇り降りする妻と息子を眺める。。。
「水場」と看板のある所から上の水場までは約50m程。
何故ここを往復する!?
しかも何度も!
調子が良さそうな二人が何度目かに下降したのを見届け、
心に平静を取り戻すべく瞑想にふけっていると
後ろの登山道から人の声が。
妻の言うところの当たり障りのない会話を楽しんでいると、
帰ってきちゃったよコレ・・

「なんだろ!?力がみなぎるよう!!何往復でも出来る!!」

顔を真っ赤にし、ハァハァと肩で息をし、弾むようなリズムで、楽しそうに妻は勝手に話し出す。
そしてもってかれる話題。

「あた、あたたたた・・足に葉が触って痒い・・」

痒いのか痛いのか、日本語が不自由な妻に通りすがりのご夫婦は優しい。
大丈夫ー?グミ食べる?と、優しいけど少々天然な臭いがする奥様に恵みを受ける妻。

いいんですよ、こんなのトウヤクリンドウでもかじっておけば治りますから。

(上の写真右下.当薬竜胆トウヤクリンドウ
 根が胃薬となるので薬草となる当薬と名がついた。
 ので、当然妻の痛いか痒いかには効き目は無い。)



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(上の写真右上.鳥兜トリカブト
 球根は意外にも毒にも漢方薬にもなる。
 毒に使うときはぶすと呼ばれることもある。
 どちらにしても専門的な知識が必要とされ、素人処方は危険。)


この先、正直今回も何が起きるかわからない。
道のりは長い。
荷物も多い。
下山までジャアクバウアーで上機嫌でいられるワケはない、絶対だ。
来たる時に備え体力は温存しておきたい。
その時には、何が起こるかは判らない。でもきっと何かは起こる。
なんせ営業小屋泊を一日も組み込まなかったのは、妻だ。

何考えてるのか、わからん。

聞きしに勝る木曽○山荘を調べに調べて嫌になっちゃったのが当りだろうが、
いかんせん人嫌いの妻。。。

しかし、
初対面の道中の挨拶は感じが良い。
お客様山行(北アの魅せる夢 燕岳の白昼夢.参照)
でも、あの道がどーとか、先頭なもんだから調べてなくても聞かれたら言いたい。
土産屋でも小屋でも一見感じは良い。
道楽な旦那に連れられてきたカワイイ嫁・慣れない嫁も装いたい。
だがしかし、腹の中は真っ黒、暗黒なダークサイド。



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−−−−以前こんな事があった。
息子不在時に二人で買い物に出掛け、
帰りの車内で 小腹が減ったね、えへへ などと談笑していた。

ふいに前方にはオレンジ色の見慣れた牛丼チェーン店が。

「寄ろうか?」
「寄らないでか!」

のやりとりの後、車は駐車場へ。
店内のボックス席は満席。つつがなくカウンターへ座る二人。
注文して一息つく間もなく牛丼二人前が目の前へ。
いただきますの号令の後、横を見ると
 THA(ザ) HU(フ) KI(キ) GE(ゲ) N(ン)!!
何故だ?? 黙々と牛丼をかっ込み理由を考える−−−。

店に入るまでは、ニュートラルだった。

店に入って注文したまでも・・・
水を口に含み、特に当り触りのない会話だったハズ・・・
会話のせいではない、そして運ばれてくる牛丼・・・
それまでに何があった!?

牛丼がこちらに向かって来るのを見て、
程よいタイミングで箸箱に手を伸ばす。
手を伸ばした瞬間、さっきまでの会話の余韻で顔には笑みが残っていた。

店内の喧騒 ガヤガヤ・・いらっしゃいませ〜・・ガヤガヤ お待たせしました〜・・箸を割る音・・

その頃には既に無表情だったが、無表情の中に「お前のせいだ・・」が見てとれた。


な に!?なんだと!?・・・いらっしゃいませ・・だとぉ??


後から入ってきた客は通路を挟んで向かいのカウンターへ座ったのだ。
向かい合っているので、他人と顔を見合わせての会食となった。
牛丼店では良くある光景。
そしてこちらは今から食べる。あちらは手持ち無沙汰。
妻はこう考えた。

「見られている・・・女なのに、今から牛丼をかっ込むのを見られて過ごすのか・・・」

奴は人が嫌いだが、見られるのはもっと嫌いだ。次にこう考えた。

「こんな辱めを受けるのは、牛丼店を見て安易に店決めをした旦那がいるからだ・・屈辱を、この屈辱を奴にも・・・!」


自意識過剰にも程があらぁ・・!!
と、刺した刺されたの帰路となったのは言うまでもない事だが。


自分のテリトリーを侵す侵害者(この場合は、前に座った客では無く俺)には、容赦なく仕返しを企む陰険なヒットマンと化す。


10年経っても未だこの仕返しができていない!感謝しろ!(?)とのたまう。


彼女は唯の人嫌いではなく、
見栄と建前をこよなく愛する、そして自分が意図しない人付き合いは全て俺の所業としてしまう、
都合の良い勝手極まりない理不尽な人嫌いだった。


営業小屋の食堂での井戸端会議嫌い。
ベッドの隣人との長話嫌い。
小屋前の夕涼みでの行った山自慢嫌い。
中年の集団嫌い。
ただしくれる飴ちゃんはもらう。
蛍光色&色の組み合わせがわからん若者嫌い。
ただし当たり障り無く、上っ面の会話はする。

自分の事を聞かれるの嫌い。
自分達の話ばっかりされるのも嫌い。
男前にザックバランに話しをされるのも嫌い。
山まで来て女の武器を使うの嫌い。
先生的に気遣って心配されるのも嫌い。
お母さん的に心配されるのももっと嫌い。

初心者嫌い。ハイカー嫌い。スニーカー嫌い。
ポッと出嫌い。だから栗城嫌い。

なんじゃお前は、と言いたくなる。この妻のご家族(在所)はよくやってきたと思う。。。
同時に どうなっとんじゃ! ワレんとこの娘は!? とも言いたい。


今回は、営業小屋の食堂の井戸端会議が嫌との理由で、越百・木曽殿の小屋泊は見送られた。

一生添い遂げると、俺は生涯お世話になることのない小屋達・・・
越百小屋の天麩羅食べたかったよぉ・・・



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伊藤さんが煎れてくれるコーシーも。

わかるかお前に、

このお客様登山と聞いて、ヒャッホー!と手放しで喜び いそいそと山本集めて天麩羅にコーヒーと下調べしながらワクワクしながらウキウキしながら
覗いた手前の山行計画書!!
真っ暗だよ!真っ暗!

やめて!一人で『妻を山に還そうキャンペーン』の続きをするのは!!
(単独登山 本谷ルートより御在所山頂へ. 参照)

そぅ、このブログには嫌な思い出が多い・・・
吐き出して楽になっているのか、
結局は、ここを見られていないか怯えながら生きているというのに。
俺は、葬った過去に今尚苦しめられているのに・・・



チキチキチキ・・・


時計にカミキリムシが。
子供の頃、通学路にあった朽ちた乾いたイチジクの木を思い出す。
無意識に妻のリュックにつける。。。

瞬間、音速で砂を掴んだ妻から目潰しをくらう。

フッ・・俺の思考は読んでいたようだな・・・( イタイ )



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身も心もボロボロで、越百小屋へ到着。
伊藤さん、お世話になります。避難小屋だけど。

写真は晴れているようだけど、一面のガス。
荷物を置いたらガスの中、息子を伴って下の水場へ行く妻。

ご隠居に群がる盗賊あがりのケチな使用人、うっかり八兵衛のように
「へへ〜どうもすいやせん★ついうっかり・・」とかなんとか言いそうな勢いの息子。

この腐敗した世界に、産み落とされてから10数年。
その間に巻かれるべき長いものを見極め(妻)、
呑まれるべき太き(ここでも妻)を判別する洞察力を身につけてきた。。。

こんなもののために生んだんじゃないんだけどな・・・

俺がまだ上手に片付けられずにいる小1時間は戻ってこなかったので、
人嫌いではない俺は続々とあがって来る登山者の方と楽しいひと時を過ごせた。

戻った息子に聞くと、
妻は水場で今からあがってくる登山者の足を止める為雨乞いをしていたそうな・・・
(念のため一家は無宗教です)
なんかホントすみません。。。

妻は雨乞いやら人嫌いやらの雰囲気を気取られぬ様に、
登山者の和気藹々とした中へ忍びの様に入り込んでくる。

冒頭書いた様に、
人の笑い声や談笑なんかには興味はあるらしい。途端に挙動不審になる。
自分は、天照とでも言いたいのだろうか・・・

夕暗くなる前に、カレーを用意し
「まだ獲物(この場合食事の意)にありつけん連中(この場合営業小屋泊者の意)にコレ見よがしに食べる」と、
意気込む妻。
さっきまで仲間だと思っていたのに、この仕打ち。。。
本当にスミマセン。。。

妻の思惑通り、伊藤さんが小屋で人数分の食事用意に勤しむ中、妻のカレーは出来上がった。
勝った・・!と言わんばかりに小屋前で食事を始める。

伊藤さんの手料理を待つ登山客が妻の料理を覗いて褒める。

してやったぜ!?という顔を俺と息子にしてみせる。

やめて、仲間だと思われる。
伊藤さんは敵じゃあない、わかるか!?
いつから伊藤さんもお前の敵になったんだ。

その夜、妻は避難小屋で宝である足をダニに食われていた・・・
ざまぁ・・・

(越百小屋の名誉のために、、、
 ダニ(?)に狙われたのは妻一人であり、私たちは無事でした。
 息子と私の見解としましては、
 汗をかいたまま小枝や葉が触っては痒い痒いとやっていたのを目撃していますので、
 軽く掻いたつもりの皮膚が炎症を起こしたのではないかと思っています。
 重ね重ね伊藤さんスミマセンデシタ。そしてありがとうございました)


 

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翌日、妻の雨乞いの結果虚しく、天気は快晴。
御岳を見ながら恨めしそうな妻。

目の前をチョロチョロ歩く息子は、その標的にされる。
「ガイア オルテガ マッシュ、ジェットストリームアタックだ!!」

じゃぁ誰なんだよ お前は・・・



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左から安平路山、摺古木山、その奥に我らが恵那山。

ちょうどGW頃には、牛天神が見える山、越百山。
牛天神という雪形の出るあたりから。

蝶ヶ岳や常念は、雪形の名前がそのまま山の名前になった山だ。
この山は雪形が、牛天神。
南駒ケ岳は五人坊主・稗撒き女。
あ、駒は馬のことかいな・・雪形の名前は何?

常念坊が常念岳なら、南駒は五人岳で良かったんじゃ・・・
と愚考に馳せる。。。



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塩見岳の横に富士山が雲を纏い、その雄姿を見せ付ける。
小屋から山頂までは、約30分。
いよいよ道は森林限界に近づき、ハイマツ帯へ。
否が応にも山頂への期待は高まる。



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「見たことある!!!」

情けない山頂での第一声は息子。

「本で見た!」
「同じ!」
負けずに妻も遠吠えのように共鳴する。


常に、カメラマンである俺に、さもプロデューサーのように口を出す妻。
“本と同じ構図で撮るな!”
“逆光を味方にしろ!”
“我の声をカメラ神の声だと思え!”

三つ目はいつもの寝言だが、その妻は言う。

人が撮ったものと同じものを撮る時 己はすなわち構図泥棒と後ろ指刺される覚悟で撮れ

は、ミニにタコが出来る程聞いた。ミニにタコ・・今何してんだろうね・・

それは聞いたが、敢えて構図泥棒と言われよう!
だって立つ位置がないんだもの・・・!!



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泥棒!
じゃぁ撮れよ!俺よりいいものを撮ってみれよ!
たわけ!これは神の言葉じゃ!
皆さん、ギャァギャァ山頂でご迷惑をおかけしました・・・



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バタフライパンチで進んでくる妻を左手で押さえつけ、これでもかコレデモカ!と構図ドロを働く。

フン!どうせ堕ちるんなら、堕ちるとこまで堕ちてやるぜ!
俺なんか!

と、最後の文は拗ねた子供みたいになってしまったが、すっかりドロと言う言葉が板についてきた俺。


上は、三脚を使わずに右手で撮ったブレてない奇跡の甲斐駒と仙丈。
本当、デジカメって素晴らしいね・・・!
山頂で散々撮ってやったわ、と清々して下山し現像してみたらブレブレ! なんて事が無い。


しかし最近、悪態をつく時に決まって悪い顔をした妻が脳裏にチラつく。。。
自分のイメージしている『悪』が安易に行動に移せるのは、ひとえに妻の御蔭。。。



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山頂に少々の未練を残し、次なる仙涯嶺へ向かう。
息子の先には神が薄情にも・・・
カメラの神なんか谷に呼ばれちゃえ!とか俺が言ったか言わないか・・



神といえば、ここ木曽谷沿いを通る旧中山道には隠れキリシタン信仰が今も面影を落とす。
マリア観音像・マリア地蔵・折りたたみマリア等・・
大桑村に限らず、隠れキリシタンの歴史は惨い。

無信仰者が無知に胡坐をかいて言える程 浅いものでは無いので、深くこの話題を進めることはしない。

ただ、五人組しかり踏み絵しかり家斉や禁教令の話しを教室で授業として聞いた時、
にわかにボンクラ共(自分含む)の潮が引くのを感じたことはないだろううか。
「やってる事が、俺たちよりもレヴェル低けぇ〜・・・」冷ややかに嘲笑うかの様な異質な静寂。

ってしんみりなったけど、何やってんだろうな日本は。
陰で命張って(マリア像)守ってるっちゅぅのに。




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仙涯嶺へと続く稜線上から越百山山頂を振り返る。

で、前に歩を進めると・・



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仙涯嶺の頂へ経て、南駒ヶ岳へと続く主稜線・・・



雪形の宝庫南駒でも、越百山から南駒ヶ岳への山腹に現れる“行者”。
高遠原地区にある 行者様稲荷社 での祭典は、この雪形が合図となって執り行われていたそう。

高遠原とは、登山口を中央アルプスでみた反対側にある地域。
ちょうど、天竜川と越百山の間にある地域のこと。

この祭りは山岳宗教の一つで、雪形の“行者”とは、山岳へ行場を求めて登った修験者達の姿だと言う。

日本人の言う山岳宗教とは、
山には神奈備という神がいて、その神を信仰する。その信仰の顕れとして登山をするのに対し、
チベット仏教では、山そのものが信仰の対象であって、その山を守る為に、登ることが禁忌となっている。。。

富士講みたいに、登山が宗教の顕れだったり、
自分の分も詣でてくれ なんて路銀や金品を渡して替りに参詣してもらう、
なんて代参講なんてのもあったりして日本人の登山魂には頭が下がる想い。。。



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言葉少なに、登ってくる雲を見つめる親子


耳を澄ますと山風の音の間に念仏のように聞こえるものが

「○ロモンのシューズだけで登るのに・・替りに・・何ぼでも登ったる・・

 バリゴの赤買ってくれよぅ・・モンベ○のジェットボイル買ってくれよぅ・・SOTOのポケトーチ買ってくれよぅ・・

 富士でもチョモランマでも行ったる・・行けばいい・・私に行かせてよぅ・・

 スポンサーでしょ・・要は・・養ってみれよぅ・・・」

小さき愛でたる物を愛する 小さき妻の物欲は止まらない。
富士講ブツブツ・・と言っていたのを聞いていた小さき妻は、性根も物欲も人間も小さい。

物欲の為なら世界のエベレストも厭わないその心意気だけは褒めて使わすわ。
御岳でさえ「我が山生涯に一片の悔い無し!」とか言ってヘバッてたくせに・・・
(御来光御嶽山 夜間登山.参照)



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息子が小さき妻を見て育って

「私は 私を生み 私を導き 私に名を与えた 小さき母にのみ 従う!」

とか言い出したら嫌だなぁ・・
(風の谷の○ウシカ原作 巨神兵オーマの発言.より)

そして王蟲が言う

「その小さき者は死なない」


イヤーーーッ!!!
日頃口数少ないのに肝心な時にだけ予言みたいに言うの!!



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仙涯嶺のピークを過ぎ、少々の鎖場(2ヶ所)と下降を経て南鞍部へ着く。
(ここの鎖場は鉄のチェーン)

この仙涯嶺はちょうど涅槃像という釈迦が寝ている姿の雪形の頭と髪。
伊那七福神の聖徳寺から見える雪形。
右手で頭を支え、面倒臭そうに俺に返事をする妻が脳裏に浮かんで「プッ」と噴出す。

その瞬間目にも止まらぬ速さで目潰しをくらう。

ど、どうしてわかった・・・!?
心を読んだのか・・・!?



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イワツメグサ・イワギキョウ・チングルマ咲き乱れる中、わき目も振らず進む親子

かつては高山植物にも興味の芽が出かけていた息子も、
妻に冷たくあしらわれて (北ア・夏の蝶ヶ岳 神降地散策.参照)
今ではすっかりその興味もどこ吹く風。

本当、情操教育って大事・・・・・・



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鞍部からは東側に巻く稜線を上がる。
一旦下って再度登らされるのが、人の次に嫌いな妻。

どこにこの怒りの矛先を持っていっていいかわからず俺に悪態をつく。

「荷物が多い・・・私だけ多い・・!」
ちょっと待て それは食料だろうが・・!じゃぁ食堂の井戸端会議我慢してよ!

「足が痛い・・私だけ痛い・・!」
痒いの間違いだろうが!

「二人が遅い・・私が歩き難い・・・!」
どうなってるの!? 全部謝ったらいいの!?

ここ数年で対妻スキルが上がった息子が一言。

「お父さん、二人であがっちゃおうよ!」

スキル上がったのか・・・?・・・息子も砂の目潰しを食らい、のた打ち回る。



あぁ・・砂を常備することにしたんですね・・・



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ここらで大方、目潰しのタイミングを悟った二人が、以降警戒するも、これ以降の目潰しは無し。

何よりも早く その気配を五感というか動物的感覚で気取る妻。侮れん。。。



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ここで、百間ナギの大ガレ。
この生きている崩壊地は年々進行していて摺鉢窪避難小屋スレスレにまで迫ってきている。

崩壊した土砂は、上記での高遠原からわずかの距離にある 与田切川へ土石流化して流下している。
平成12年9月の洪水でも下流で流砂が観測されており、円柱状の与田切鋼製セル群ダムが役立っている。



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ここで鈴鹿山脈のゲリラ豪雨に触れた事があるが、
自分達が慣れ親しんだ山が変貌し、思い出と共に美しい森林が破壊された時の心情。

感傷的になるのは、現場に来た一瞬だけかもしれないが、
こうして麓といえど離れた場所で、山の自然とは薄縁となった処でも 大地の流亡で被害が起きる。

今地球で何が起きているのか、
日本で何が起きているのか、
故郷で何が起きているのか、

掘り下げて考えなくとも、常に気付ける様でいたい なぁと思う。。。



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山頂へつく頃には、悶々とした心と一緒にガスも連れて来てしまう。

根が暗い! と深く人と付き合うと言われる事が多いが、
根が深い! とは言われない俺。

俺が暗けりゃ、
差し詰め、隣で「浅い!皿に張った水よりも浅い!」と笑い転げる妻は、
不快(ふかい)で腐怪(ふかい)だわ。

何を上手い事を・・・たいして上手くもないが今の俺はこれが精一杯。。。

もぅダメかも・・・



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摺鉢窪カールにある避難小屋。
一見長閑なメルヘンチックな小屋に見えれど、小屋まで行くとその崩壊地までは
目と鼻の先かと見まがうばかりの迫力のロケーション。



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そぅ!!メルヘンとはこんな絵のことを言う。
被写体は赤椰岳なのに、メルヘンチックな写真に邪魔な妻。

こんなに離れていても、こちらの心を見透かすかの様に
ギョロリ と目を剥いて微笑む・・・

闇夜に遭遇したら、躊躇い無く刺せる・・!!
疲れが見える今なら・・刺し違えることなら出来る・・・
覚悟するかの様に、こちらもゴクリと唾を飲みきゃつとの距離を図る。



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いよいよガスの中に空木岳が姿を現す。
その奥に宝剣岳と木曽駒が。

白煙にも似た水蒸気 空木を隠したり・・・

すっかり体中ガスでびしょ濡れになる。

宝剣岳には、島田髷の娘の姿の雪形がある、と話しながら登って行く。
髪が肩にかかる長さの妻は、「みて!ホラ島田娘!」と髪を一つに束ね折り返してみせる。
ハイキングウォーキングのQちゃんか お前は。

それを言うと、自分はボブじゃなくってミディアムボブやがな!と。
知らんがな
その話 今じゃなきゃ駄目か!?
そんな話しでしたっけ??今




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千畳敷カールには白鷺の雪形があってさぁ・・
なんて珍しく気持ち良く雑学を披露しているといよいよ・・

「雪形雪形うるさい!!」 と稜線に妻の怒号が響く。


ここで自分語りにも似た 博学な俺自慢は終了する。。。
ちょっとチビりそうになった。



稀に俺しか知らない事は、全て興味が無いらしく
それどころか、自分が知らない事は世界に起こっていない とでも思っているのだろう。
だから、不誠実な非現実的な情報はいらんとばかりに遮断する。

俺だけが知っている事に不満を露骨にする。
そして自分が知らなかったのは、不勉強ではなく
その事柄がありえない事だからだ と強く主張する。

ソースは!? 無いの!? 夢の中ででも学習したことなんじゃないの!?
と せせら笑う。


そうして、自分の自尊心を守る愚かな妻よ!



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この頃になると 息子もどのタイミングで自分が割り込んで良いか空気を読むようになってきて・・
「あのさ〜こないださ〜 学校でさ〜・・」なんて
どうでもいい話しをタイムリーに振れるようになっていた。


隙が出来た妻は、俺に背をむける
すかさず昨日から同行していたカミキリ君(!)を妻のザックへ移住させる

「ザクレロ程度でいい・・! わずかな傷でいい・・! ダムを決壊させるのは俺が きっと・・・!!」

(Kガン○ム登場 ジオン公国のモビルアーマー、ザクレロ
 Gの肘関節を破壊するなど善戦しているが、結局あっけなく撃破されている)



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息子 「ちょ ちょっと置いて行かないで・・」

慌てるな息子! 次期に奴は肘をカミキリ君に破壊されるわ!

妻にさっさと捨てられ、ワタワタと情けない姿ですがる姿。



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前世、限りなく獰猛な猿人だった妻は、警察犬のように人の臭いをたどる。

見渡すとガス、一面のガスの中
鼻と第六感で進んでいるかのよう。

フラッシュもたいてないのに、勝手に赤目の妻。

「この赤目が点滅したら、傀儡子みたいに口が割れて、波動砲を撃って霧を晴らすよ」
正夢になりそうな事を息子に言う。

「そんなこともできるのッ!?」
「山も砕くよ」
「スゲェッ!!」
波動砲が出たら、僕も一緒に撃ってください そんな地球に居たくないから


「チィッ!! 弾幕が濃くて近づけない・・!!」
それを言うならミノフスキー粒子だろうが・・・

波動砲出る?出す?と横で目をキラキラさせる息子に
「今日は無理、レバ刺食べてないからね」

「マンナ○レバーはダメだよ 動物性たんぱく質じゃぁないからね」
「豚足は!?」
「爪が発射するくらいかな」
「スゲェ!!!」

今年の秋?もって正月まで・・・
息子の期待を集めれるのは




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ガスの中、今夜の宿場 空木駒峰ヒュッテに到着。

山頂は、とてもじゃないがシャッターを切るのにためらうほどの一面霧の中。

よくある事で、避難小屋到着後ガスは晴れる。
俺はそれさえも自分のせいにされるのではないかとヒヤヒヤする。
後ろで息子はザックのカルパスを捜す。



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受付を済ますと逃げる様一目散に、山頂へ写真を撮りに行く!とだけ言い残して実際逃げる。

ついさっきまでの霧を山頂の風が飛ばしてくれる。

甲斐駒の山頂にだけ、今日最後の陽がかかる。


やっと一人になって冷静に山を見れていることに気付く。

あれ・・なんで涙が・・・




砂礫帯を涙を拭いて下って行く。

身体が孤独を欲している・・・

なんだ誕生日プレゼント 代金引換着払い って

山頂で昼寝してビクッとなって起きると機嫌が悪いのも
TVのリモコンばっかり捜しやがって捜させやがって
腹が減ると俺に当たる為に車庫まで探しに来るのもやめろ
玄関にある俺の靴の上で自分の靴を履くのはやめろ
机の上に放置してあるチラシを何ヶ月も俺が放っておくと思うな
それを、さもそこに設置していたのになどと抜かすな
俺のトイレを急かすな どんな腹の調子か聞くな トイレにいる時に話しかけるな




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風化した花崗岩が砕けて石英となる。
涙がそれにあたって玻璃色になる。


戻るまでには一面を玻璃色に染めて何事のなかったかの様に振舞う。



その晩、妻は夢を見た。

山風でガタピシと騒ぐ窓の外に、ずぶ濡れの俺が恨めしそうに立っていた。
何かを叫ぶように・・何かを訴えるかのように・・
ただ妻は身体を動かしたくても一寸も動かすことは叶わなかった と。


・・・妻は体を動かし、起き上がり、雨戸を閉めたかった そうだ。

翌朝、朝食時に「生霊退散!」と騒がれてしまったあるよ・・・。



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最終日は快晴。
第一ピークまでの岩稜帯を
「いや、あの人怖いw」と息子を連れ立って先を行く妻。

あー女子っぽい その対応。
連れショ○ならぬ 連れピーク。

たまに二人振り返って
「言いたいことがあるんなら、言ってよーw」
「化けお父さんw!? 化け○○(俺の名前)w!!」
「弱虫!」とはしゃぐ。

ものっそぃ気分悪いよー!
やめてねーお腹痛くなるよー!お父さん



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鳴いていたのは岩雲雀の雌。
独特な声で囀り、群の中の雄全てに雌が求愛する珍しい生態の鳥。


進むべき道を示すかのよう。しばらく我々の先頭をピョンピョンと先導する。

「ちゃんと付いて来てる?」と振り返る仕草に、異種間恋愛みたく萌える・・・


岩雲雀と俺の交流を、乱すのは妻。

「ちゃんとついて来てる!!?」と岩場が揺らぎそうな声と音で距離を縮めて来る。

人を怖がらない岩雲雀が一瞬ギョッとして、羽ばたく。

もうあの岩雲雀は人に寄ってくることはないだろうな。。。

だって晴れてるのに、あの人赤目だったから・・・



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第一ピークではブロッケンを見ることができた。

そう、良かった事や嬉しかった事をここで伝えたいのに・・!
いつもいつも、いつもいつもいつもいつも いつも・・・!



まーた 人の良いフリをした妻が先で、今から登ってくる男の子に
「今ちょうどブロッケン現象が見れるYO!」と。

その子が「本当!?」と喜ぶのを見て満足したのか、俺にも許してやるわチックに小言を。
「ブロッケン現象ってブロッケン山で発見されて、御光を背負ってる仏にも見えて・・」
「知ってた?知ってた? 知らなかった?」と纏わりつく。

ソ ソースは・・? ねぇソースは・・?
いつも俺は心の中で突っ込む・・・

息子が追い越し様に俺の肩を叩く。

「俺だったらこの人とは一緒にならなかったよ」と。
「楽園のりんごを蛇にそそのかされて食っちまったのかい?」と。
「でもそれ以上に息子に生まれた僕も可哀想だよ」と。



愚鈍な妻は、それには気付かず 気持ち良さげに続けている。

少し軽くなった心と体で俺は微笑みながら相槌を打つ。

ほんのあれしきのフォローで、すっかり余裕ができ、
今 出来の悪い子供を見守るような仏の心で対応できる。
一人じゃないという真実が俺を強くする。

二人の 仏の微笑が気に食わなかった妻は、つまんなさそうにチェッとだけ言い残して山に帰って行った。
それからこの山で見る不思議な現象は、ブロッケンと呼ばれるようになったんじゃ。
ブロッケンの中に見える御光を背負った人のようなものは、ブロッケンの妖怪と呼ばれとるんじゃと。。。



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しばらくは仏の微笑から逃げるように、コソコソし挙動が不審。

そのうちに耐え切れず、大きな大きな独り言を言い出す。

こちらも仏で返すと、独り言ですからぁ!と開き直る。

独り言じゃあしょうがないな・・と二人の仏は顔を見合わせる。



誰にも突っ込まれない突っ込ませない時間を取り戻した妻は足取り軽やかに下って行く。
鼻歌なんか口ずさんじゃったりして。

いいね〜(いつだって)楽しそうで

いいね〜(いつだって)勝手で



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メジャーリーガーがガムをくちゃくちゃしながらバッターボックスに立つ。
足でバッターボックスを踏み均し、バチン!!とガムの音を鳴らす。

今目の前で、
「ここから一枚(写真を)撮ってみ?」と顎で方向を差し
女メジャーリーガーが バチンッ と また音を鳴らす。


朝霧がゆっくり空へ登っていくのを横目で見ながら、
その音が胸突き八丁中の登山者の目を引いていることを感じる。


どうやってそんなに大きい音出すの??
練習したの? ガム喉に詰まらせながら?

代弁したら、砂が・・・目に・・・目に・・・



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コルに立つ木曽殿山荘、そして東川岳。
登山道には枕木が見える、とても整備されている様だ。



木曽殿山荘からは、水場があるがその先はまた少々の登りと圧倒的な下り。

少々でも微量でもミクロンでも登りは許さん山に厳しい人がいるので、
息子と二人でゆっくり道を惜しむかの様に間合いをとる。

当たり散らしたいのに、手と口が届く所に誰もいない妻は、
面白くない! と、硬い顎でゴシャゴシャと梅干の種を割り、天神様を味わっている。


そのゴシャゴシャと噛み砕いた種の殻は!?

出してないよね!? 今日 今 この瞬間までも・・


・・・取り込んだ・・・!?

ドラゴン○ールのセルみたいに!?
そんで、完全体になったら一人でセルジュニアを吐き出して作る気なの!?
そんなことも出来るの!!!???



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あーそう言えば、セルも貴方も
「ぶるぁぁぁ」とか「ヴぇぇー」とか言うもんね。

同じ星の臭いがするわ・・・

ティーバック (プリズン・ブレイク作中のセオドア・バッグウェル) の声の穴子さんがやってるセルでしょ。
(本当は、声優:若本規夫氏)


あぁ・・だから (好きなのか)・・・



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ねぇ・・そこに立ってると、誰も通れないんですけど・・・
一体どういうつもり?


なぜか微動だにしない妻に怯み、足をすくめる息子の図。


不動だが 鉄壁の守りを体得した 妻の身体から滲み出る殺気に
ヘビに睨まれたカエル状態の息子。

なんでここで殺気!?

両者睨み合いの時間が刻々と過ぎる。
お互いの鼓動 息使いが聞こえそうな程 巌のごとき二人。

何でもないタイミングで、妻が悠然と動いた・・・!
・・・多分全く意味は無かったんだろうな
意味も無く殺気を発する女。

息子は不慮の事態が収拾でき、ホッと胸を撫で下ろす。


・・・なんでこんなに可哀相かね うちの息子は・・・





うさぎ平は逆から登ると多分に急登。

急登はうちのが得意とする領域。
遅鈍な我らを振り返り見て、馬鹿と呼び 一人牧歌的な雰囲気で踏破する。

妻は不愉快な歌を唄いながら進む。



麓から仰ぎ見ると、一見寧静で穏やかな中央アルプス。
気まぐれな太陽に一喜一憂の愚かな烏合の衆。


泰平な頃には夢にも思わぬ 内乱で取り乱し
にわかには動けず先制攻撃を食らう。


衆愚に鳴き うっちゃりに鳴き 喘ぐ頃には屈服を恥と思わず

こうべを垂れ 砂を噛みて それでもいつかはと根拠の無い希望を抱く

恥ずかしいとは思わんかね!?






・・・どんな歌だよ。

思うわんかね って誰に。
うっちゃりって相撲の??

車の中でも歌うもんだから夢に出るわ
息子は友達の前で歌うわ
俺も通勤中に口ずさむわ
やめれ体に悪そうだから

で、今回もタダでは済まなかった中央アルプス。

ラベル:中央アルプス
posted by Lilium medeoloides at 22:42| 愛知 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 登山 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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